BUTTERFLY EFFECT感想
遂に発売されましたポルノグラフィティ2年ぶりのオリジナルアルバム、「BUTTERFLY EFFECT」の感想を書きます。昨日フラゲしてからヘビロテしてます。
新譜を聴くために生きてるようなもんなので、一発目はそりゃあ興奮しましたよ。
「PANORAMA PORNOを全体的に暗めにした感じ」と聴く前は予想していましたが果たして。
01.THE DAY
改めてTHE DAYは好きですね。歴代シングルトップ5には入るかも。
アルバム1曲目を飾るに相応しい疾走感。テンポが速くて譜割りが詰め込まれててというポルノらしい曲。ツアーでも多分オープニングはTHE DAYでしょう。ハネウマのリリース後のライブほぼ皆勤賞とまではいかなくとも、新定番としてリバルとともにライブでしばらくやり続けてほしいです。
元々ヒロアカも大好きなので、ヒロアカのOPがポルノだとジャンプ誌面で発表された時と1話のオンエアでTHE DAYを初めて聴いた時は嬉しすぎてどうにかなりそうだったことをよく覚えています。
ジャンプの新看板として推されてはいるけどヒロアカは結構ダークな面もありますし、その辺の雰囲気もポルノとマッチしてましたね。
元々この曲はもっとディスコ調でノレる感じの曲だったけどタイアップが決まってこういうアレンジになったと晴一が言っていましたね。ヒロアカがなかったらTHE DAYはなかった。ありがとうヒロアカ。
02.Working men blues
しまなみテレビで先行公開されたリード曲。フラゲ日にアマゾンオリジナルドラマの主題歌であることも発表されました。
シングル曲たちとは違って、武骨なかっこよさが光る骨太な曲ですね。
力強いサビの歌声はもちろんのこと、結構長めの後奏のギターもかっこいいなぁ…。
新橋ゲリラライブでの昭仁の歌いっぷりは流石でした。ラスサビのかっこよさよ。最初に聴いた時からライブで映えるというのは確信していたけど。生で聴きたいですね、早く。
03.君の愛読書がケルアックだった件
ラバップでの「名前だけで聴きたい曲投票」で1位だったので先行公開された曲です。そりゃ1位取るよね。
ただ、僕はリリース2日前まで来て先に聴きたくないなと思ってとっておいたのでアルバムで初聴きでした。
どういう文脈でこれが作られたかってのも曲調が爽やかってのも知ってる上で聴いたので、なるほどという感じでしたが、これを知らずに聴いたら「タイトルのわりに変化球じゃない爽やかな曲だな…?」って印象になっちゃいそうです。
正直なところ一発目では、爽やかだけど意外と落ち着いてるからかピンとこなかったんです。珍しくサビも含めてずっと低めだし。ただ、何周もアルバムを聴いて、ふと口遊んでるのは不思議とこの曲のサビなんですよね。キャッチーはキャッチーということか。ノリがいいことには間違いがないので聴いていく内に好きになれそうかな。
歌詞は前回のメモでも書きましたが「君の愛読書がケルアックだった件」という架空の映画の主題歌という設定。「普通の女の子を演じてるあの子が実はケルアックを読んでるという意外な一面を持ってて、それを知ってるのは僕だけ」、「僕もケルアックを読んで君に近付きたい」という、まぁ、そうですね、想定しているキラキラ系の映画でありそうな、甘酸っぱい青春ストーリー。曲も含めてだと思いますが「バックナンバーっぽい」って感想を見かけたので、試みとしては成功してますよね。とはいえ歌詞は晴一らしいところがちゃんとあります。1番サビとラスサビでは大体の人が「パレット」を思い浮かべたのでは?
タイトルはぶっちゃけキラキラ系映画というより、既に一個前になった感のあるラノベなので、誰か突っ込んであげても良かったんじゃないかな。当の晴一はツイッターの垢の名前をノリノリで「晴一の公式な件」にしてるけども(笑)
僕もそうだけどポルノファンはもう今更どんなタイトルが来ても笑って受け入れる人が多いでしょうが、なんやねんこれって思う人もいるだろうなー。
すんげー偉そうなこと言うと、最近のキラキラ系を思い浮かべて「~な件」にするあたり、今後流行やら何やらの捉え方が錆びていったら嫌だなとは思いますね。
04.I believe
昭仁バラード。カフェイレでも「スケール感のあるバラード」としか言ってくれなかったので前情報は一番なかった曲かもしれないですね。
定期的にある昭仁バラードです。実は「光のストーリー」がリリース直後あたりは結構嫌いだったんですよね。空港での再会をド直球で歌われてもなぁって。最終的には、ライブDVDでの絶唱っぷりを見て、あれだけ力を込めて歌われるとやっぱりグッと来るので、それでやっと平気になったんですけど。光のストーリー以来、昭仁バラードは聴く前に大丈夫かなと身構えてしまうんですが、毎回杞憂に終わってくれます。どうにも光のストーリーだけ苦手過ぎた。「夕陽の色」、「wataridori」、「むかいあわせ」、そして今回の「I believe」、どれも好きです。
恋愛の曲なのかなぁ?と漠然と予想してましたが、実際は第三者目線であなた(聴き手)を肯定してくれる昭仁らしい優しいバラードでした。なんて優しいんだろうか。あー優しい。凹んでる時に聴いたら涙腺に来るかもしれない。
スケール感があるという言葉通り、雄大な夜の海が浮かんできますね。聴いてて。
優しい良い曲だけど、アルバムを通して聴いた直後だとあんまり印象に残ってない曲ではあるかも。序盤だし直後がLiARだし。
05.LiAR
という訳でLiARです。アルバムの中でLiARを聴いて改めて書くことはあまりないかな。ザ・ポルノですよ。タイアップが強ければこれも新たな代表曲として認知されだろうになぁ。
THE WAYで披露したバージョンも好きです。ラスサビ前の、「一筋涙を零した」からのギュインギュインギュイーンっていうギターがさいっこうじゃないですか?今のアレンジでもいいけど。
歌詞も全然違って面白いのでいつかどっかに収録してくれないか。その時は「ワンウェイチケット」とか「空の魚」も一緒に頼むよ。
06.Fade away
イントロでやられた曲その1。元々めっちゃ期待していた曲ではありますが、その期待を超えてきた。シングルで出せばよかったじゃん!と言いたくなります。
仮タイトルダークソングだけあってかなり暗い曲で、無理して例えることもないけど天野月が歌ってても違和感ない。今からライブのヘソで長いアレンジされたら最高だろうなと妄想を膨らませています。
昭仁の暗い曲は久々でしたが、ひたすら暗い曲を演ってる時が一番気持ちいいってAimerとの対談ラジオの時に言ってたんで、こういうのもっと出してほしいっすね。
07.クリスマスのHide&Seek
新たなクリスマスソング。しまなみテレビで昭仁が「なんかちょっと寂しくなっちゃった」的なことを言っていたので、クリスマスだってのに彼女と喧嘩してまるでかくれんぼだとかそんなような内容のバラードだと予想してたんで大幅に裏切られました。あれ、ポップだしお洒落でノレる曲じゃないか!と。昭仁の言葉にも納得ですけどね、クリスマスの曲だってのに主人公はクリスマスを楽しんでないので。歌詞に「ふわふわしてて」とか「風船」とかが出てくるように全体的に浮遊感がありますね。
「サイレントナイト ホーリーナイト」のところ、I believeと次のMICROWAVEでも思ったんですが、今回の昭仁の英語の発音がすごい気持ちいい。
あとこれは分かる人だけ分かってくれればいいんですが、イントロでウィッシュルームのメリッサとクリスマスツリーイベントを思い出しました。あの雰囲気があるよね。
08.MICROWAVE
イントロでやられた曲その2。なんだこれは!!!とんでもなくお洒落!!!
前情報はあったにしてもここまで攻めたお洒落な曲だとは思わなんだ。度肝を抜かれた…。
歌詞も晴一節全開で、「なるほど電子レンジの曲ですわ」と。現代版「素晴らしき人生かな?」という感じも?こっちは昭仁詞ですが。
トオミヨウさんの編曲すげぇなぁ…。是非ともPart time love affairとともにライブで聴きたい。この曲ライブでどうなるのかはちょっと予想がつかないけど。
しかしこんだけ新しいアプローチをしてもやっぱりポルノってのがすごいところ。
09.夜間飛行
夜間飛行、バラードでしたね。そう来たか。
大人のバラード。曲も昭仁の歌声も、すごく綺麗ですね。ラスサビの演奏の盛り上がりも好きだなぁ。
2人の関係性が分かるようなラスサビの歌詞もいいですね。
あと、ツイッターでこの曲のおそらく女の人の感想見て分かったんですけど、夜間飛行っていう香水が実際にあるんだそうです。恋愛からなのか、夜間飛行というワードからなのか、香水からなのか、どういう順番で作詞したのかもかなり気になりますね。
聴けば聴く程沁みてくる曲になりそうです。
10.真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ
夜間飛行から一転テンションマックスの真っ白な~。こういうロックなポルノも本当にかっこいい。今作収録シングルはキング&クイーン以外はロック色やダークな世界観が強めで好きですね。1番好きなポルノはカッコいいポルノなので。
特典DVDでリリース時のリツイートキャンペーンの時以来初めてフルのMV見たんで、LiARと時間合わせるために長めになっているところで「あ、そういやそうだった」とあの時と同じところでびっくりしちゃいました。後奏長いこのバージョンかっこいいんでそのままライブでやってくれないですかね。
11.170828-29
Twilight,トワイライトのような、かなり暗い、世間を憂うタイプの曲だと予想していたんですが、全然違いました。「ザ・ポルノのポップロック」とでもいうべきか、ポジション的にはMONSTERとかその辺。いや、カッコいいじゃないですか、好きです。
歌詞が晴一にしては直球でそこに面食らってる人も結構いるみたいなんですが、タイトルを日付にしたあたり、晴一的にもフィクションに寄せず今思ってることを直球で書こうと思って書いたのではないかなーと思っております。インスタなんかも今のタイミングじゃないと歌詞に出さないでしょ。
皮肉全開で攻撃的な歌詞は痛快そのもの。これライブでくっそ盛り上がるんじゃないですか?
ピースピース!
12.Montage
真っ白、170828-29からロックでシリアスな流れが続きます。
この曲はキメがかっこいいよね。ライブ映えが特に楽しみな曲の一つです。ツアーでは序盤に持ってくるのか、終盤に食い込むのか、読めないっすね。
13.スパイス
日常にスパイスを加えると毎日が彩られる、というテーマ的には結構ありそうな、昭仁の平和な曲です。日常の幸せを歌ってます。曖昧なひとたちのような。
正直なところこういう歌詞は求めてるポルノではなかったりするんですけど、日常が脅かされる可能性について前の前で歌っている分、改めて日常の幸せを歌うこの曲の良さが感じられている気がします。
いきなりキング&クイーンが来ると雰囲気に落差がありすぎるのでワンクッション置く役目を担っているんでしょうね。このパターンだとツアーでやらない枠の可能性も?
14.キング&クイーン
まぁ最後に置くしかないわなという最新シングル。
凄く爽やかにアルバムが終わりますが、いやいやそんな爽やか全開なアルバムではなかったぞと突っ込みたくなります。
賛否両論ある曲ですし、ここまでやるかと僕も思いはしたんですけど、サビがキャッチ―で聴いてて気持ちいいと感じるので素直に好きですよ。あぁ本当にアメージング☆スターにならなくて良かった。歌詞もタイアップがあって、意識的に分かりやすさを追求したということが分かってるので納得してますよ。まぁホップステップジャンプだけはホップステップジャンプはなぁって思い続けるんだろうけど。ノンタイアップで出した君は100%が謎なんです。いや結局君100も嫌いじゃないんだが。
クソなげぇこの感想をここまで読んでくれた人がいるならば分かると思うんですが、僕はBUTTERFLY EFFECT好きです。19年やっててまだまだこんなに幅が広いのかと!Fade awayとMICROWAVEがアルバム曲2トップです。あ、Working men bluesは除いて。
他の人の感想を眺めてると、結構否定的なのとか、期待しすぎてたのかなってのが多いんですよ。実際今作はキャッチ―さはあんまりないので、そういう意見があるのは分かります。アルバム曲が思ってたより落ち着いていたというのは事実。何をポルノに求めてるのかで評価は変わってくるんじゃないかなと。
晴一が「シングル曲はファン以外の人も聴くしそういう人たちにも伝わる曲でないといけないという使命があるけど、アルバム曲は自由度が高いし、アルバムを手に取ってくれる人はワシらのシングル曲以外の面を聴いてくれる人だと思うから、そういうところを楽しんでほしい」みたいなことを言っていて、まぁ僕もそうですけど、かなりのファンはこういう発言も受けてアルバムを聴き込むんですが、極論聴く人にとっては晴一のこの発言はどうでもよくて「ポルノはアルバム曲もキャッチーであれよ!」って考えの人からすると今回は物足りないかもしれない。ただ、1回聴いてキャッチ―さがないからって駄作だとか切り捨てちゃうようなのはどうかと思いますけどね。他人の感想にいちいち噛みつくつもりもないけど。
あとは、前作RHINOCEROSと比較するとどうかという話。
ライノセロスは全編にわたりハイテンションでキャッチ―、収録曲の半分がサビ始まりという弾けっぷりだったので、これと比較すると尚更今作のアルバム曲の落ち着きっぷりが目立つんですよね。
ただ、ライノセロスは収録シングルが、オー!リバルはパブリックイメージに沿ったラテン曲ですが、残りはちょっと変化球気味の俺セレと、バラードのワン・ウーマン・ショー。
対してバタフライエフェクトは、シングルにバラードが1曲もないし、どれも変化球ということはなく、ポルノらしいと言ってしまっていい、アップテンポなのが5曲。
であれば、そりゃーアルバム曲の雰囲気は変わってくるんじゃないかなって。バタフライエフェクトはシングル曲のことを考えればバランスは悪くない気がしますよ。
ライノセロスは、非ファンに布教するとき1番最初に貸せるアルバムだと思ってます。これが合わなければ今のポルノは合わないと思っていいんじゃないかと。
バタフライエフェクトは最初には貸さない、慣れてきた人にこういうのもあるぞと貸す感じかな。
タイプが全く違う2枚ですが、両方ともポルノだよなと、そういう認識でいます。